小野研究室

フッ化物薄膜

 薄膜とは厚さ約数百um以下の膜のことを指します。薄膜は真空蒸着法やプラズマCVD法のように蒸発した物質を再固化させる気相成長法や、ゾル・ゲル法のように物質を含む溶液を乾燥させて成膜する液相成長法があり、どちらも保持用基板の上に成膜します。本研究室では、薄膜作製法としてパルスレーザー堆積法(Pulsed Laser Deposition : PLD)を採用しています。この手法は、ターゲットと薄膜の間に組成ずれが少なく、複合材料のような多成分系の薄膜合成に適しています。
フッ化物は現在研究が進んでいるZnOやGaNなどの酸化物や窒化物よりも比較的大きなバンドギャップを有しており、紫外領域で優れた特性を発揮することが期待されています。CaF2(フッ化カルシウム、蛍石)に代表されるフッ化物単結晶は、紫外から赤外領域の広範囲における高い透過性を持ちます。そのためリソグラフィ用硝材(窓材)や、短波長レーザー用硝材、短波長レーザー用母結晶、シンチレータなど多彩な応用の可能性を秘めています。その一方、フッ化物の中には吸湿性や潮解性を有する物質が多いため比較的研究が進んでおらず、薄膜化に関する研究も同様に盛んではありません。
本研究室では、このフッ化物に着目しフッ化物の薄膜化技術の確立と紫外線発光素子や紫外線検出器への応用を目指しています。